我が町の駅から電車で二十分も走るとそこは山梨県大月の駅になる。大月駅前にあるそれなりに有名なイタリアンの店で夕食をとる。こういう田舎にイタリアンもなにもないだろうが、というところであるが、それなりに小奇麗な店内で、田舎にしてはそれなりに高級感もあるので、おらが町のイタリアンとして支持されているのだと思う。値段も安いのであまり文句も言えない。でも、本場イタリアの田舎町にある美味しいレストランの数々で食べたことのある僕には、物足りない点が多々ある。夜のメニューのアラカルトにあるメイン料理が、パスタとピッツァだけというのはどういうことなんだ。それと一皿一皿のボリュームが少ないのも、イタリアンにしてはみみっちくはないか。食後に珈琲(エスプレッソ)を頼んだら機械が故障していて出せないと女店員が言った。これも減点だけど、でもまあ許す。帰りしなにレジ前にあったサドヤのワインが1.8リットル瓶で1680円だったのも許せる。(当然、持ち帰り)イタリアに限らず、フランスでもスペインでもかまわない。そういう国の田舎には、三ツ星クラスの名店がいくつもあるし、そうでなくとも「素晴らしい!」料理を安く出してくれる店がごろごろあったもんだ。田舎へ行くほど、美味しくて評判の店が多い。イタリアならこれからはキノコやトリュフ料理の季節を迎えるだろう。旬の味覚を料理にいち早く取り入れるところは、イタリア人と日本人は似ている。それをタント盛り付けて満足のいく一皿を出してくれるのがイタリアだけど、日本のイタリアンは気取りすぎなのか、客の胃袋も小さいのか、しみったれ感がいなめない。イタ飯ならば卒倒するくらいに盛った皿を出して欲しいと切に願う。もちろん美味しくなければならない。美味しければ平らげてしまうから。さて。そろそろ支払いをすませて帰ることとしよう、という段になり、テーブル上に置かれた伝票を手に子どもたちが「計算する」と言い出して足し算を始めた。高級店ではないので、そういう行為もまあ許される。「ぴったり合ったら百円あげよう」とこちらも言ってみたのだが、二人そろって計算ミスで正解者はなし。よって百円もなし。お前ら夏休みボケか!?流水麺実篤
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